個人情報の取り扱いについて

6-1 個人情報の取り扱いについて

「個人情報」とは?

「個人情報」とは、特定の個人を識別できる情報を指します。たとえば氏名、住所、電話番号、生年月日、メールアドレスなど、1つまたは複数の情報を組み合わせることで特定の人物がわかる場合も、すべて「個人情報」として扱われます。

個人情報を取り扱うすべての事業者は、法律に従ってその取得・利用・保管・廃棄を適切に行うことが義務付けられています。

さらに、「個人情報識別番号」(マイナンバー、免許証番号、パスポート番号など)や、「機微情報(センシティブ情報)」(病歴、思想信条、犯罪歴など)も、特に厳重な管理が必要とされます。

個人情報漏洩をお断りする博士

不動産業界における個人情報の例

不動産取引や賃貸管理では、以下のような個人情報を頻繁に扱います。

  • 売主・買主・借主・貸主(契約者)の氏名、住所、電話番号、生年月日
  • 勤務先や年収、家族構成、急連絡先
  • 住民票、印鑑証明、本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
  • 保証人情報や保証会社への申請書
  • 銀行口座情報、家賃支払い履歴
  • 内見履歴、問い合わせ履歴、来店アンケート

これらはいずれも取り扱いを誤ると重大なトラブルや法令違反につながる情報です。

実務で気をつけたいポイント

  • 目的外使用の禁止

    取得した情報は「契約のため」など明確な目的の範囲内でのみ使用する

  • 本人の同意取得

    第三者提供や広告利用を行う場合は、必ず書面などで同意を得る

  • 情報の取り扱い権限の制限

    営業・事務など部門ごとにアクセス権限を限定する

  • FAX・メール送信時の送付ミス防止

    宛名・宛先の確認を徹底する(誤送信防止)

  • 紙書類の放置禁止

    カウンターや机の上に個人情報を置きっぱなしにしない
    営業端末の画面ロック・パスワード管理の徹底

個人情報を漏洩し謝罪する助手

保管と破棄のルール

  • 保管について

    個人情報は鍵付きキャビネットやアクセス制限されたクラウド環境など、適切な場所で保管。不要な複製や紙出力を避け、必要最小限のデータのみ保管します。

  • 破棄について

    紙の書類はシュレッダー等で完全に裁断を行い、電子的データは復元できない形式で完全削除、保管期間のルールを定め、
    定期的に見直しと処分を行うことが重要です。

    博士助手男白衣_ここに気をつけて!

万が一「漏えい」した場合の対応

万が一、個人情報の漏えい・紛失・盗難などの事故が発生した場合は、迅速な対応が求められます。

  • 社内報告・事故の全容把握(漏えい範囲、原因など)
  • 対象者(本人)への連絡と謝罪(速やかに、誠実に)
  • 再発防止策の公表と実施(外部発表が必要なケースも)
  • 必要に応じて監督官庁(個人情報保護委員会等)への報告
  • 保険の適用や損害賠償対応の検討

漏えいは会社の信用を大きく損なうため、発生させない仕組みづくりと、迅速な初動対応がカギとなります。

指さし博士